YOMIURI ON-LINE / 政治:ODAなど公表と実態に食い違い次々と…日中首相会談
すごい一言ですね。「ODAを中止すれば両国関係ははじける。」by 中国の温首相。
つまりは、中国側の認識としては、日本は金づる以上の存在ではない、ということですか…
ただ、紙の新聞の方では、温首相のコメントの中に『ODAは戦争に対する補償の意味合いがあると認識している』というようなコメントも載っていたので、それとあわせて考えると『戦争補償を今打ち切るならば両国関係ははじける』という意味になるのですけれど。
さらにこの記事に出ていない部分で、『現在の経済規模では不十分ではあるが、』というような表現もあったのじゃなかったかしら?
戦争賠償については、サンフランシスコ講和条約の前、終戦直後に中華民国との間で賠償放棄の約束がなされていたところ、国共内戦の結果、本土側は共産党政権=現在の中華人民共和国が成立してしまい、サンフランシスコ講和条約を結んでいない国の一つなのですよね。(ただ、中華民国海軍に、日本の残存軍艦が接収されてしばらく使われていたり:「雪風」なんて船も、中華民国海軍でその生涯を全うしたはずですが)
当時の冷戦前の構造が産んだ未解決問題といいましょうか。それがあって、70年代初めにアメリカの対中国頭越し外交に焦った当時の田中角栄政権が、ODAという名で補償をする、という話で国交樹立したんだと記憶してます。
田中角栄政権の問題は、このODAの時限を切らなかったことでしょうか・・・
ODA支給開始後30年経過し、中国の経済状況も当時とは比べ物にならない状態まですすんできたので少なくともODAとしての支払いはおかしな話ではあります。
今後、これは少なくとも名称変更・規模見直しなどに続くんでしょうなぁ。
ただ、日本から見ればこの10年ほどの中国の対日敵視政策はやりすぎの感は否めないところ。そこまで反日教育をしたのは中国政府自身なのでありまして、いまさら30年以上続いたODAを中国経済の規模が十分大きくなって日本が打ち切りを通告した場合に、国内世論の影響で「両国関係は、はじける」といわれても、それは中国政府の問題のような気もします。
日本が外交上の問題の解決手段としての自国からの戦争を放棄して60年になりますよね。現在の中国側の行動(たとえば先日の潜水艦事件)や、竹島に関する韓国軍による軍事占領を見ていると、日本が手も足も出ないのをいいことに軍で好き勝手やっているとも言えなくもないです。
太平洋戦争(大東亜戦争)に負けた日本ですから、「中国は官軍、日本は賊軍」というわけで…そもそもなんで戦争になってるかっていうと、話し合いで正当性に関する調整がつかんかったので、勝った方の言い分を全部採用するっちうことだったのですわなぁ。
一部にある「日清戦争の原因は不明確」という説も、日本の側から見ると明確なのに、それが不明確になるのは日本の理由を認めてしまうと政権の正当性がゆらいでしまうような国の説に基づくからですよね。(ただ、日清戦争については、最初の一発はこれまで言われてきた中国側からだった、というのを否定して、日本側から打ったという説もあるようです。これについては、日清戦争で日本が官軍になったので、後日かかれた戦記などでは日本の言い分が通ったということでしょうかねぇ)
どちらが正しいのかはわからんです。当時もそれで決着が付かなかったのですから。
昭和5年頃から終戦までの日本の国の体制が良かったのか、というと、それはそうとは言い切れないけれど、ただ、決着が付く戦争をやってしまうと「勝った官軍」の言い分の影に、「負けた賊軍」の言い分は全部覆われてしまう…のは悲しい次第です。勝った官軍が全部正しかった、と言い切れますか?二次大戦以降の戦争ってのはそういうことなんでしょうなぁ…
こういう内容の記事には、google のadsenseでは産経新聞の購読に関する広告が出るようです(笑)
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投稿情報: NS | 2004/12/05 03:24