W3CのRecommendationの文書中の一文について、どうも日本語訳がわかりづらいので久々に行ってみます>翻訳ネタ。
元の文章はこの1文:
Due to the fact that XHTML is an XML application, certain practices that were perfectly legal in SGML-based HTML 4 must be changed.
W3Cのページにあった、ボランティアの方による翻訳のページ2種から該当部分を抜粋:
XHTMLがXMLアプリケーションであるという事実のために、SGMLベースのHTML4では完全に合法であった一定の慣習が変更されなければならない。
XHTMLはXML応用言語であるという事実により、SGMLベースの HTML 4では完全に合法的であった特定の実践は変更されなければならない。
となっています。前者後者だと、この例に関しては私には後者の方が比較的読みやすい日本語に見えます。
でも、この2文を読んでいると・・・んじゃ<em>強調</em>を<EM>強調</EM>って書いたら非合法だから逮捕されるの????・・・って思いません?
私が訳すなら、たぶんこうします:
XHTMLがXMLを適用されたものであるという事実に基づき、SGMLに基づいていたHTML4では完璧に正当であった、ある特定の書き方は改められねばならない。
application, legal, certain, practice...って確かに訳しづらいです。
この場合はapplicationは単純に「適用」として、周りの書き方を工夫してみました。カタカナでアプリケーションとしてしまうと、どうもアプリケーションプログラムのような気がするもので。あるいは応用例とか適用例でもいいかな。英単語の動詞のapplyから来ている事がわかればニュアンスはわかっていただけるでしょうか.
legal...この単語の訳が引っかかったのでこのエントリを書いた次第ですが、確かに辞書だと語義の1や2には「合法」という表現が出てきますけど、それは法律的な文脈での訳語です。ここではある記法の規約に対する違反程度ですから、「正当」「不当(illiegal)」程度の語の方が適切に思います。むかーしのBASICインタープリタの入力文に、いれちゃいけない文字なんてのを入れると "illegal input error. redo from start."なんてエラーメッセージが出ました。
いや、ここに、非合法な入力をしちゃうと手が後ろに回る可能性もあるかもしれませんが、BASICインタープリタはそこまで頭よくなくて、単に、形式が違う「不当な入力」について文句いってるだけですわな。
まぁXMLになって?"well-formed"とか"valid"なんて語もあるから、これらとは毛色が違う訳語にしたいというのもわからなくはないんですが。
certainは、someよりも、何らかの一定の資格・基準を満たしているから「certain」なので、あえて「ある特定の」と書いてみました。このcertain/someの使い分け、実際の英作文の時には、覚えておくと重宝しますよ。the/aほど難しくないしね。
practiceは確かに訳語が難しくて・・・ここでは少し日本語として砕けるようにこう考えてみました。
practice=実践だが、なんの実践かというと、書き方の実践、習慣であると思いますので、書き方とか書法がしっくり来そうに思いました。書法が固く感じられたので、「書き方」の方を残しましたけど。
まぁ重箱の隅をつついてばかりで恐縮です。でも、ほんとに日本語他の訳を作成されたボランティアの方には感謝する次第であります。たんなる揚げ足取りにならないことを祈りつつ。
むかし、Z会なんかの英文を訳しつつ、意訳しすぎない、訳しすぎない、なんてやってたころがなつかしいなぁ。
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