もう,7,8年も前になるだろうか・・・
具体的なブランドとかお店の名前は挙げないで置くが,「ローアクションセッティング」を売りにするベースブランドがあった.(今もあるが)
そのこと自体に何か言うつもりはなく,ただ,日本での"low action"という語の使われ方がどうにも馴染めないのでそのことを少々.
英語での"action"というと,動作とか動きとかそういう意味だと思うけど,ギターやベースギターでの low action ってどういうことなのだろうか,というと・・・
これは,弦の振れ幅のことをactionというので,lowがついて,その動作が小さいという意味になるはず.ただ,本来ならsmallとかbigの方がしっくりくるようには思うけれど.
フレットがついた弦楽器の場合,ネックを調整して,フレットの頭を結んだ線が,少なくとも,弦が描く円弧(というか,正弦波の山なんですが)の外側に来るように設定しないと,振動しているうちにフレットにぶつかって,最初に弾いたときのパワーが消えていってしまう.そのためには思いっきり弧を深く取るか,あるいは,弦を弾く力などを加減して弦のアクションが小さくなるように弾く必要がある訳である.
一般に,弦高を下げて,ネックのレリーフ=弦の振動がゆるされる幅を決めるファクターを小さくしてやると,弦の弾き方を加減したり,太い弦を使ったり,弦のテンションを上げて,とにかく振動の幅を小さくする必要がある.
それで,違和感というのは,どうも「ローアクション」というのが「弦高が低い」という意味に取られているような感じがする点になるのである.
弦高を下げると,音が詰まらないようにするためには「ローアクション」になるように弾かねばならず,それでもきちんとした音を出すために「ローアクション用セッティング」というのはありえるとは思う.
でも,ローアクション自体の元の意味が,弦の振れ幅が小さいということだから,弦高が高くてもローアクションにはなるのである.
それがどうも気になっているわけ.
実際,ローアクションでもきちんとした音が出るような楽器を作ったり,セットアップしたりするのは大変だというのは,自分で楽器の調整をしたことがある人なら十分わかる話だと思うけれど・・・物には限度というものがあるように思われる.
実際,最初に書いた某ブランドのベース,ブランドのオーナー氏がとある楽器フェアで弾いているのを聞いたけれど,バズは無かったものの,私には,弦高が低すぎて詰まり気味の音に聞こえたのだが.(フェンダーのスパイラルタイプなどのブリッジだと,どうしても,「ぽわーん」と,「わ」のところで音量があがる=振れ幅が大きくなるので,弦高を下げづらい要因だと思うのだけど.)なんというか,アタックから音量が大きくなるところで,フレットにあたって振動が抑えられて音が詰まっている印象を受けたというか.
まぁ,これはさておき.「ローアクション」というカタカナ語の使われ方.どうも,違和感を感じている,というお話.
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